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遠藤宅周辺の坂(990131)

 今回は遠藤さんの自宅周辺の坂を調べました。どのくらいの勾配があるのか、道の広さや表面の舗装のされ方は、などに注目しました。


 まず最初は遠藤さんの住むマンションからほど遠くない、都立梅丘病院の裏にある坂を調べた。
 坂の下の方は勾配が4度くらいだが、上の方へ行くにしたがい勾配はきつくなる。
 道路の幅は 315cm で、表面はまったくの水平ではなく、写真右手の側溝に近いところでは5度の傾斜があり、車椅子を押すにも傾いてしまい、不便だった。
 坂の全景。上のほうに行くにつれ、勾配が急になる。
 同じ坂の上部。このあたりの勾配は 5 〜 7.5度。勾配が5度以上のところでは介助者にとってもきつい。
 下る際にはブレーキをかけ、車椅子を自分にひきつけながらスピードを調整する必要があり、かなりの力を要する。
 上の写真の坂から北に7、80メートル離れたところに、それとほぼ平行な形で、もっと急な坂がある。遠藤さんの住むマンションの、ちょうど裏手(西側)にあたる。
 勾配は9度、幅は 235cm。この幅では車とすれ違うのは無理。
 もともとの地形に起伏があるので、こうした勾配の急な道路ができたのだろうが、ここで起こってくる重要な問いは、「地形だから仕方がないのか、それとも他に何か考えようがあるのか」ということ。 
 坂を登りきったところで、正面方向から来て、右後ろの方向に下っていっている、比較的交通量の多い道路に出る。
 ここを右に曲がってみれば、非常にゆるやかな下りの坂道で、勾配は2度、幅は 304cm。車とすれ違うときは車椅子との間にあまり余裕がなくて危険ではある。
 結局は遠藤宅と梅丘中学校の間にある道路に出るのだが…。
 上の写真に写っている道路から、ちょっと左に入ってみた「高級」住宅街。
 道路幅は 305cm。
 側溝の白い部分が4度も傾いているので、車椅子を脇に寄せて歩かなければならない時には、車椅子も傾いてしまい、とても不安定。 
 さらに進んで、遠藤宅の前を通る道路と反対側の、梅丘中学校周辺の街並み。羽根木公園に向かって、こちらもかなり急激な高台になっていっている。
 「とまれ」のサインが出ているあたりのコーナーの勾配は8度で、車椅子を押しながらこの角を曲がるのは困難。 
 きわめて極端な坂。
 梅丘中学の周辺は起伏が激しく、地形に合わせて道路ができている。
 写真中央右のコーナーは8〜16度も勾配がある。このような部分は、あえて避けて通るべきだろう。



<まとめと感想>

 今回の調査では、全体的には思ったよりゆるやかな勾配の坂が多かったのですが、道路の側溝部分の傾斜や、曲がり角の急な勾配部分にはやはり、注目せざるを得ませんでした。
 こうして調査をしてみて浮かび上がった疑問点は、「はたして道路には一定の舗装基準があるのだろうか」という点でした。あるとすれば、一体、どのようなものがあるのでしょうか?
 今回の調査をした場所は、どこも地形にあわせて道路を造った結果、勾配や傾斜が強くなっていましたが、街造り計画の段階でこうした点を点検し、基準を設けている地域が実際にあるのかどうか調べてみたらどうだろう、という今後の課題も生まれました。
 こうした問題意識を持ちつつ、次回もひきつづき、遠藤宅周辺の道路を調査することにしました。